終わりました

お話二個目完成しました。嬉しいな。
また一枚絵を描きたいけれどもどうしようか…

終わったついでに書いている間は
ちょっと何か言いにくかったこととかを言おうと思います、追記にて



 

37

アルファとユーリはナギを連れて帰りました。
王宮の人々は白蛇を見てある程度驚いたようでしたが、
追い返したりはしませんでした。
柔らかい緑の中に白蛇のための社が建てられました。
彼は最初の守になり、王様が滅びるまでそれは続きました。

ebnagich03.png

さて、王子は。
王子はある日、
「ちょっと出掛けてくる」
と言いました。
「ユーリも連れていくね」
とも言いました。
そしてふたりで歩いていったまま、戻ってきませんでした。
守を連れて戻ってきた二人だというのに、
人々はなぜかあっという間にアルファという王子がいたことも、
ユーリという従者がいたことも忘れてしまいました。

二人がどこへ行ったかは誰も知りません。
王さまの力が届かないところまで行ったのか、意外にも城下町で暮らしているのか。
東の一族に合流していたり、
もしかすると出掛けてすぐに死んでしまったのかもしれません。

それでもひとつ言えそうなことは、どこに行っても二人は一緒にいるということです。
例え桃色の花が咲く黄泉の国であっても。
多分いつまでもいつまでも、二人一緒なのです。

ebtabunnagi39.png

36

帰ってきた二人を迎えたナギは、これで良いのかと問いました。
「良いんだよ」
アルファとユーリは頷きました。
「どちらかがいない世界に帰っても意味がないんだ」
いまや二人で一人分の彼らは、なんとなくお互いの気持ちまで分かるようでした。

「力を引っ張り出してもあの首飾り、細かいことばかり言いおって」
ナギが不満を溢すのを、親切な白蛇だなあと思いながら聞いていたアルファたちでしたが、この言葉には驚いて尋ねました。
「では首飾りが自主的に私たちを助けたのではなく、あなたが首飾りを使ったのか」
「そうだ。疲れた」
大袈裟なため息を吐くナギに、王都から来た二人は顔を見合わせました。
古いふるい生き物が二人の前にいました。

ebtabunnagi37.png

35

そんなわけで、
黄泉に留まる二人のもとに、また首飾りの声が響いてきました。
「譲歩だ、譲歩しよう。二人で帰ることを許そう。しかし、それぞれ半分ずつ置いておゆき」
どういうことか分からない二人は思わずスプラッタな想像をしましたが、
首飾りが言うのは物質的な半分ではありませんでした。

「そなたらが地上に持ち帰ることが出来るのはその身体に備わるものだけだ。
王子アルファと従者ユーリは死ぬ。
今までの地位と居場所を捨てて、二人でお帰り。」
アルファとユーリは黙りました。
そして二人顔を見合わせて頷きました。
地上への出口が再び繋がり、二人は手を繋いで歩きだしました。

ebtabunnagi36.png

34

首飾りが怒ったのかとアルファたちは思いましたが、実は地上では地上でいざこざが起きていたのでした。
「許容範囲の狭い奴だ」
首飾りをつまみ上げたのはナギでした。
「おや、懐かしい顔ではないか。随分小さくなったものだな」
首飾りが呟きました。
ナギがまだ大きな存在だった頃、
首飾りがまだ首飾りでなかった頃、
二人は知り合いだったようです。
しかしナギは片眉を上げただけで、それについてはあまり興味を示しませんでした。
「運んでやったのだから少しは間違いを許してやっても良いだろうに」
ナギの言葉に首飾りは、
「駄目だ。二人帰したら秩序が」
勿体ぶって答えましたが、いきなりナギに振るわれて慌てました。

「何をする」
「道を繋いでやるのだ」
白蛇はにっこりと笑いました。
「力を貸してもらうぞ」

ebtabunnagi35.png

無理に力を引き出されて、首飾りは抵抗するもうまくいきません。
何がなんでも力を貸さないことも出来るには出来ましたが、少し考えた首飾りは、ナギの好きなようにさせることにました。
やっぱり自分が造った子供たちが可愛かったのかもしれません。

「ただしやはり完全なまま二人を帰してはならないのだよ」
幾分哀れみを込めた声で首飾りは言いました。
「あの子どもたちに約束をさせなければならぬ」
 

Pagination